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最资讯丨【GPT机翻】战国小町苦劳谭 (戦国小町苦労譚)- 165 [千五百七十七年 六月上旬]
来源:哔哩哔哩 发布时间2023-05-28 00:03:11    

书名 战国小町苦劳谭

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【资料图】

作者: 夹竹桃

原作:http://ncode.syosetu.com/n8406bm/

翻译工具:ChatGPT

*机器输出的翻译结果UP未做任何修正,仅供试阅。标题章节号为原翻译版的顺延。*

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千五百七十七年 六月上旬(*原文网页序列号 - 189)

静子は公家の本質をまだ理解できていなかった。彼女の良く知る公家筆頭は前久(さきひさ)であり、彼は公家の中でも開明的な事で知られていた。

静子还没有理解公家的本质。她熟知的公家首领是前久,他因为在公家中持开明态度而闻名。

つまりは典型的な公家という存在に静子は初めて接することになったのだ。彼らは格式を重んじ、手続きや儀礼を決して疎(おろそ)かにしない。

也就是说,静子第一次接触到了典型的公家。他们重视礼仪,并且从不疏忽手续和仪式。

悪く言えば前例踏襲主義であり、異例な事を許さない融通の利かなさを持っていた。形式は形式として尊重はするが、あくまでも実利を追求する武家とは決定的に異なるのだ。

坏的一面是它奉行前例主义,没有灵活性,不允许任何例外。虽然它尊重形式,但它与追求实际利益的武士决定性不同。

これらの差異が災いし、何かにつけて時間を要した結果、今回の派兵は遅れに遅れた。結局静子が本願寺に布陣出来たのは、京を出立して二日が経過してからであった。

这些差异带来了灾害,使得每件事都需要时间,最终导致这次派兵严重延误。结果,静子在离开京都两天后才能在本愿寺布阵。

進捗の遅れについては静子から信長へと毎日定時報告が為されていた。混成軍で他者の目がある中、秘密兵器である電信設備を運用するのは難しいため、従来の早馬と併用することで遅滞の少ない通信手段を確立している。

每天定时报告进展滞后情况的是静子向信长汇报。在混编部队中,由于使用秘密武器——电报设备非常困难,因此除了一直使用的快马邮递,还与之并用,以确立一种延误较少的通讯手段。

まず静子が連絡内容を暗号で認(したた)め、それを早馬が常設の通信設備がある静子の京屋敷まで届けていた。京屋敷常駐の通信技術者が暗号を平文に復号して信長へと通信するという流れとなる。

首先,静子使用密码确认联络内容,然后早马将其送至静子居住的京屋敷,那里配备有通信设备。京屋敷驻扎的通信技术人员将密码破解并将信息传达给信长。

因みに計画が遅延していることに対し、信長は何も言ってこない。前もって信長は朝廷との間に約定を交わしており、いかなる理由があろうとも静子を貸し出す期間は七日であるとしていたからだ。

顺便说一下,尽管计划已经延迟了,信长一直没有发表任何言论。事先,信长已经与朝廷达成协议,无论什么原因,他都规定了静子借出的期限为七天。

「あれこれと余計な時間を食いましたが、どうにか本願寺を包囲できましたね」

"虽然浪费了不少时间,但总算包围了本愿寺啊"

如何に大軍を擁(よう)しようとも、蟻一匹這い出す隙間もない程に本願寺を包囲することなど不可能だ。それでも主要な出入り口や水路等から出入りを封鎖する程度のことは出来る。

即使拥有大军,也不能像没有蚂蚁一样爬出无缝隙缝包围本愿寺,这是不可能的。但我们可以封锁主要的出入口和水路,限制他们的进出。

静子たちは布陣してから丸一日を掛けて包囲態勢を構築した。当初は内部からの反撃や妨害があると思われたのだが、予想に反して本願寺側の動きは無かった。

静子们布置阵势后用了一整天时间建立了包围态势。初期他们以为会遭到内部的反击或干扰,但出乎意料,本願寺方面并没有动静。

要所要所に構築した物見台からの報告では、内部で動いている人自体が少なく、外郭を捨てて内側に籠っていることが予想される。

从各处建立的观察台上的报告显示,预计内部活动的人员很少,他们可能会舍弃外部并藏身于内部。

つまりは外部に打って出るという博打を避け、ひたすら亀のように首を引っ込めて耐えるというのが教如(きょうにょ)の作戦なのだろうと静子は思った。

也就是说,教如采取的策略是避免冒险出击,而是像乌龟一样缩头耐心等待。静子想到。

(籠城作戦を取るということは援軍の当てがあるということ。既に三日を浪費しているから、速攻で決めないと)

(采取围城作战意味着有援军的支持。我们已经浪费了三天时间,所以必须迅速做出决定。)

静子は石山本願寺周辺一帯を記した地図を眺めながら黙考する。実は織田軍が本願寺を包囲していた頃より、定点観測所をいくつも設置してずっと気象観測を継続していたのだ。

静子一边观看着描绘石山本愿寺周边的地图,一边默默地思考。实际上,在織田军围攻本愿寺的时候,他们就已经设立了多个定点观测站,一直持续进行气象观测。

とは言え現在のような衛星からの情報など望むべくもないため、この時代でも実現可能な計測装置を用いた記録を続けていた。

然而,由于像当前的卫星信息之类的事物都是不可期望的,因此该时代继续使用现实可行的测量设备进行记录。

つまり方位磁石と吹き流しによる風向き、扇風機のような形状をしたモーター式風量計、漏斗型の受水器と転倒升(ます)と呼ばれる仕組みを用いた雨量計で今までデータを収集し続けていたのだ。

换句话说,之前一直在使用定位指南针和风袋确定风向、以电动机为驱动的风速计形状类似于电风扇、漏斗状的受水器和称为“倒茶壶”的雨量计来收集数据。

こうした地道な活動が実を結び、今宵の秘密作戦が立案されるに至っている。とは言えそう大した作戦では無い。

这些刻苦耐劳的活动已经取得了成果,导致今晚的秘密行动被策划出来。但是,这并不是什么了不起的行动。

夜闇に乗じて熱気球を飛ばし、天然アスファルトと有機溶剤その他を混合した安価な焼夷弾を投下する、それだけだ。ただし、日本を取り巻く気流の特性として、西から東へ気球を飛ばすのは容易だが、逆に東から西へと気球を飛ばすのは難しい。

乘夜色飞行热气球,投掷廉价的混合了天然沥青、有机溶剂和其他物质的燃烧弹。但要注意,日本周边的气流特性使得从西向东飞行热气球容易,而从东向西飞行却很困难。

夜間に飛行コースを確認するのは本来難しいのだが、本願寺を包囲している軍に一定間隔ごとに篝火を焚かせれば雨天時以外は問題なく視認することが出来る。

在夜间确认飞行路线原本很困难,但如果让包围本愿寺的军队每隔一定的间隔点燃篝火,除雨天外就没有问题了。

ただ熟練の飛行士と黒塗りの熱気球はそれほどの数を用意することが出来なかった。しかし天から突如火が降ってくるとなれば、信心深いこの時代の人々ならば大混乱になることは疑いようもない。

只有熟练的飞行员和涂黑的热气球没有足够的数量可供使用。但是如果天上突然降下火灾,那么虔诚的这个时代的人们无疑会陷入巨大的混乱中。

「日が暮れた頃に一機だけでも試験飛行させましょうか?」

“在太阳落山之际,我们可以试飞一架飞机吗?”

「いえ、今までに収集された情報を鑑(かんが)みると日暮れと同時に風向きが変わることが多いのです。今宵が絶好の機会でしょう、各機に準備しておくよう通達してください」

“不,从收集到的信息来看,通常在日暮时风向会发生变化。今晚是个极好的机会,请通知各机做好准备。”

「ははっ」

"哈哈"

家臣の提案を退けた静子は、そのまま日暮れを待った。最近の観測データ通りに夕方ごろより風が凪(な)ぎ、日が沈み込む直前の薄暮の世界で虫の合唱とともに涼やかな風が吹いてきた。

拒绝了家臣的建议后,静子等待着日落。如最近的观测数据所示,风在傍晚停了下来,夕阳西下时出现了凉爽的微明世界,伴随着虫儿的合唱,清凉的风吹来了。

「頃合いですね。全機搭乗! 離陸準備を進めなさい。兵装は爆装のみ、建物を重点的に狙うように」

「时间差不多了。所有飞机上岸!准备起飞。武器只准备炸弹,集中目标为建筑物。」

静子の号令を受けた伝令が走り、やにわに随所に設けられていた熱気球の駐機場が騒がしくなる。気象観測台では水を電気分解して得た水素ガスを鹿の膀胱に詰め込んだ即席の風船にロープをつけて上空へ放つ。これにより、気球の飛行高度付近の風向きが確認された。

听到静子的召唤,信使奔跑起来,到处都设有热气球停放场,场内变得嘈杂起来。在气象观测台,则将用电解水制备出的氢气装入鹿的膀胱中,将其固定在即席气球上,并放至空中系于绳索上。通过这种方法,可以确认气球飞行高度附近的风向。

全ての準備が整った気球部隊達は地上との係留ロープを解かれ、気球自体に積載されていた重りの砂袋を一つ、また一つと落とすことにより徐々に天空へと舞い上がっていく。

所有准备就绪的气球部队解开了与地面的系留绳,通过逐渐投下气球上载的沙袋来徐徐升空。

素焼きの壺に特製燃料を入れて油を染み込ませた布を火口とする簡易焼夷弾を、それぞれに二百キロほど積載した僅か五機の熱気球。少数精鋭が世界初の夜間空爆を行うべく夜の帳(とばり)が降りた世界を駆けた。

仅有五架热气球,每个装载了大约二百公斤的特制燃料填充的素烧陶罐和沾满油的布火口的简易燃烧弹。一个少数精英队伍在黑夜中展开了世界上第一次夜间空袭。

地上は蒸し暑い程だと言うのにはるか上空の世界は太陽が姿を隠したことにより、震えがくる寒さであった。各熱気球の乗員は3名、構成は観測手1名に熱機関の管理を行う機関士兼操縦手が1名、最後の一人は他2名の補助を行う。

地面异常闷热,而在高空的世界却因太阳消失而变得寒冷。每个热气球的成员由三人组成,包括一个观测员,一个负责管理热机的机械师兼驾驶员,以及最后一个人负责协助前两个人。

地上を眺めていた観測手が叫ぶ。

观测员朝着地面大喊。

「方向良し! あと四半刻(約30分)ほどで本願寺上空に達する見込み。地上の明かりが見えるゆえ、あそこが城門付近だろう。わしが合図を出したら一斉に壺に火をつけて投下せよ」

“方向正确!大约30分钟后就能到达本愿寺上空。因为能看到地上的灯光,那边应该是城门附近。我一发信号,你们就同时点燃壶中的火并投掷下去。”

「了解! 高度は安定しておる。壺の準備は出来ておるか?」

“明白!高度稳定。壶准备好了吗?”

操縦手が気圧式の高度計を読みながら声を出して確認する。気圧式高度計は水銀を封じ込めたガラス管を釣り針のような形にし、ガラス管上部に真空を生じさせることにより気圧を測定するものだ。

驾驶员在读取气压式高度计的同时出声确认。气压式高度计将水银封装在类似于钓钩的玻璃管中,并通过在玻璃管顶部产生真空来测量气压。

高度が上がるほどに大気圧が下がることから、おおよその現在高度を読み取ることが出来るのだ。

随着高度的升高,大气压下降,因此可以粗略地读取当前高度。

「はっ! いつでも行けます。進行方向以外の面から投下いたします!」

“嗨!我随时可以出发。将从除前进方向以外的面向投下!”

最も年若い補助要員の青年が緊張と寒さで唇を青くしながらも、それでも決然と告げた。

最年轻的辅助人员年轻人虽然嘴唇因紧张和寒冷而变成了青色,但他依然坚定地说道。

その頃、地上では西の空へと熱気球の飛び去って行った方角を睨むように見据えている静子の傍に近寄る者がいた。

那时,有人靠近静子,站在她身边,注视着热气球飞向西方天空的方向。

「義姉上、何やら難しいお顔をしておられる」

“义姐姐,你脸上好像带着一种很难的表情。”

「……何故ここにいるか理由を聞いても良いですか?」

“可以问一下您在这里的原因吗?”

官軍の総大将である近衛信伊(のぶただ)その人であった。本来は本陣にて休んでいるはずの人物なのだが、どうも監視の目を盗んで抜け出してきたようだ。

他就是官军总大将近卫信伊。本来应该在主营休息的人,但似乎溜走了,趁监视者不备。

「天より火を降らすと聞いておとなしくしていられましょうか? 特等席で見物すべく抜け出して参りました」

“听说天上将要降火,我怎么能安安静静地呆在这里呢?我从特等席悄悄溜走过来观看。”

「空襲成功の報を本陣にて受けるのが貴方の役目だと伝えたはずですが……」

“我曾告诉你,在总部接受空袭成功的报告是你的职责,但是……”

「判っております。どうせ御簾(みす)越しに報告を受けるのです、乳兄弟を代わりに置いてきておりますので問題ありません」

“我明白了。反正您只是从帘子后面听汇报,我已经让乳兄弟替我留在那儿了,没有问题。”

確かに使者が報告を告げる相手の姿を確認することは無いし、彼らが信伊の声を知っているはずもない。

确实,我们无法确认使者所报告的对象,他们也不可能知道信伊的声音。

しかし、ここ戦場に於いては何が起こるかわからない。総大将という将棋で言う王の駒が最前線でふらふらしていては、万が一の事態が起こりうるのだ。

然而,在这个战场上,我们不知道会发生什么。将军就像是将棋里的国王棋子,若在最前线游荡不定,就可能会引发不测之祸。

鈍い痛みを発する頭を振りながら静子は、それでもここから本陣まで帰らせるより、目の届く範囲に置く方が安全だと判断し、伝令を立てて信伊の居場所を本陣に伝えるよう命じた。

静子一边摇着头发出沉重的疼痛声,一边判断眼下应该把信伊安置在自己的视线范围之内更为安全,便下令派遣信使将信伊的位置传达给本阵。

「好奇心を持つなとは言いませんが、周囲に掛かる迷惑を理解できないのでは総大将は務まりません」

“并不是说不能有好奇心,但如果不能理解给周围带来的麻烦,则不能胜任总负责人的职位。”

「うっ、いや……あの……」

"呃,不要……那个……"

思いのほか強い口調で叱られたことに信伊は口ごもる。流石に勝手が過ぎたかと慌てるが、こうなってしまった静子は梃子(てこ)でも動かない。

被更强烈口气地责备让信伊被吓呆了。虽然他感到自己确实有些太过分了,但静子已经到了无法改变的地步。

「今回の軽挙妄動(けいきょもうどう)は義父上に報告します」

“这次轻率的行为我会向岳父报告。”

「そ、それは」

那、那个。

「貴方の勝手が万を数える人々の行く末に影響を与えるのです。己のやったことは、それだけの大事だと知りなさい。今更戻れとは言いませんが、私の指示に従って貰いますよ」

"你的行为会影响到许多人的未来。请了解你所做的事情是多么的重要。虽然现在已经无法回头,但是请遵循我的指示。"

「はい、それは勿論」

是的,当然。

「罰と引き換えになりますが、天からの火をとくと御覧なさい。己が分を弁えない愚か者は、いずれ除かれるのですよ?」

"虽然这是一种惩罚,但你看看从天而降的火吧。那些不知道自己能力的愚蠢人,最终都会受到淘汰的,你明白吗?"

「も、勿論わかっております義姉上(理解できねば、私もそうなると……)」

「当然我明白,大嫂(如果理解不了,我也会陷入同样的境地……)」

軽い口調だが本気の声音であることを理解した信尹は、冷や汗をかきながら何度も頷くのであった。

理解信尹口气轻松,但是真正的声音非常严肃,他一边冒冷汗,一边多次点头。

それは突然始まった。夜闇を睨んでいた静子たちの目には、突如として空から尾を引く炎の雫が降り注いだように見えた。

突然间,静子等人盯着夜色,突然从天空中落下像火焰般的雫子,留下尾巴,落在他们的眼中。

ガシャンと言う音とともに天より降り注いだそれは、粘性の高い燃える何かとともに広範囲を火の海へと変えた。見張りを除いて建物内に籠っていた僧兵たちは、物音に驚いて表に走り出ると、天より火の雨が落ちてくる地獄の光景に打ちのめされる。

伴随着“咣当”的声音,从天降下来的东西是一种高粘度的燃烧物质,将广泛范围内的一切燃成了大火。除了守卫之外,躲在建筑物内的僧兵听到动静后跑出来,却被从天而降的火雨所震撼。他们眼中看到了地狱的景象。

次々と音もなく降り注いでは、恐るべき広範囲を火の海へと転じさせる天罰そのものの光景に恐慌をきたした僧兵たちは、口々に「天罰じゃ! 教如様のなさりように天が罰を下された!!」と絶叫して逃げ惑った。

接二连三无声地降下,将可怕的大范围转变为火海的天罚景象使僧兵们感到恐慌,他们大声喊着“这是天罚!教如大师的安排已被上天惩罚!!”并四处逃窜。

幸いにして天より降り注ぐ炎は東から西へと直線状にしか落ちてこないため、避難自体は容易であった。しかし寝ていたところを焼け出されたものも多く、避難が間に合わずに建物と運命を供にした僧兵たちも多かった。

幸运的是,从天空降下的火焰呈直线状从东到西,因此疏散非常容易。但是许多人在睡觉时被逼离开,许多僧兵也没能赶上疏散,和建筑物一同命丧火海。

生を拾った人々は、それでも懸命に消火活動を行った。そうして夜が白み始めて薄明の世界に浮かび上がったのは、天から線を引いたように一直線に燃え落ちた残骸であった。

那些拯救了生命的人们仍然在努力进行灭火行动。在这样的努力下,当夜色渐渐变白,太阳初露微光之时,只见天空划破一道般直线的废墟被烧成了灰烬。

皆が消火活動で疲労困憊となり、きな臭い煙があちらこちらから立ち上る絶望の光景に打ちのめされた。被害自体はそれほど甚大な物ではないのだが、余りにも巨大な線状の火災跡を見た人々は、天の怒りを買ってしまったのだと心の底より恐れおののくことになる。

众人在扑灭火灾的活动中疲惫不堪,四处飘散着呛人的烟雾,这绝望的景象令人心力交瘁。灾害本身并不算太严重,但看到巨大的火灾痕迹,人们从心底里害怕挑了上天的怒火。

皆が必死に消火や救命活動に奔走しているさなか指導者たる教如が何をしていたかと言えば、火の手の及ばない奥の院付近まで避難して井戸の水を頭から被り、震えながら災禍が過ぎ去るのを天に祈っていた。

在大家拼命进行灭火和救援工作的时候,作为指导者的教如躲到了火势无法触及的深处,用井水浇头,发抖地祈求天神庇佑灾难早日过去。

悪夢のような空襲が過ぎ去り、火災の対処に皆が血道を上げる中、それでも教如は声を上げて僧兵たちに指示を出したり鼓舞したりすることすらなくただただ打ち震えていたのだ。

在恶梦般的空袭过去后,在处理火灾时,教如并没有发出指示或鼓舞僧兵,而是只是颤抖着。

教如が特別臆病だったという訳ではない、天変地異もかくやと言う甚大な被害に対して一人の人間は余りにも無力だった。

教如并不是特别胆小,面对天灾人祸造成的巨大灾害,一个人的力量显得微不足道。

それでも夜が明ければ皆の前に立って籠城を続けるよう檄を飛ばさなければならない。ここで降伏してしまっては己の命が潰えてしまう。

如果不在夜明之前继续坚守并站起来鼓舞众人,那么我们的生命就会毁于此地,不能轻易投降。

教如は渾身の力を込めて萎えきった足で立ち上がり、供に介助させて身だしなみを整えると、何事も無かったかのような素振りで皆の前に姿を現した。

教如全力以赴地用萎靡的双腿站了起来,受众人协助整理着装后,以毫不费力的姿态出现在大家眼前,仿佛什么事都没有发生过。

「皆のもの、うろたえるでない! この教如は天より飛来した火の雨とやらに、毛一筋ほどの傷すら負っておらぬ。皆が騒いでおらねば、襲撃があったことすら気付かなかったであろう! この通りわしは天に守られておる。織田の悪鬼が外道の業(わざ)を用いたとて、御仏の加護を持つわしには如何ほどのこともない!」

“大家不要惊慌!本教范如从天而降的火雨中,只是受了一点轻伤。要是没有你们的喧哗,我甚至都没注意到有袭击发生!正如你们看到的,我受到了天的保护。即便是织田的恶鬼使用邪恶的咒语,对于我这位受佛菩萨加护的人来说,也不足挂齿!”

教如はそう大音声で呼ばわると、毎朝の如く演台へと上り説法をはじめた。そんな教如の動じない姿を見て、焼け出されて打ちひしがれていた僧兵達も演台へと集まってくる。

当教如大声呼叫时,就会像每天早上一样走上讲台开始说教。看到教如毫不动摇的身姿,被烧毁并倒在地上的僧兵们也聚集到讲台上。

「見よ! 悪鬼めらは闇に乗じて天より火を降らせたと言うが、そこまでしたと言うのにこの程度でしかないのが我らに天の加護がある何よりの証拠!」

“看啊!恶鬼据此降下天火,声称已经如此之举,然而我们只遭受到如此程度的袭击,这说明天赐予我们的保护是最有力的证明!”

教如による堂々とした口上が功を奏したのか、疲労の極みにあった僧兵たちは教如の声に聞き入っていた。

教如庄严的演说是否取得了成功,精疲力尽的禅僧们沉醉于教如的声音。

「織田の悪鬼が何するものぞ! わしは天の寵愛(ちょうあい)を一身に受けておる、わしが正しいからこそ矢も弾も火の雨とて我が身を避けて通るのだ!」

「织田的恶鬼要做什么!我因蒙得天恩,才能够如此避开箭矢、子弹和火雨!因为我站在正义的一边!」

少し前まで頭を抱えて震えていたとは思えない程の堂々とした演説であった。教如本人は毛ほども仏の教えを信じていない。

之前还头疼发抖的人,现在却能够从容不迫地进行演讲,让人难以相信。教如本人对佛教教义毫不信仰。

かつて幼い頃はひたむきに信仰していたこともあったが、長じるに連れて信仰は信者を従わせるための方便へと姿を変えていった。

曾经在幼年时期,我曾热切信仰,但随着成长,信仰却变成了让信徒顺从的手段。

京に於いて名門の古刹(こさつ)(古い寺のこと)率いる高僧たちの有り様を見てきた教如には、己を律して万民に尽くすなど阿呆の所業でしかない。

在京都,教如看到了名门古刹的高僧们的现状,他认为律己以侍奉万民只是愚蠢的行为。

そう思い至った教如は親鸞(しんらん)聖人(しょうにん)の説いた他力(たりき)本願(ほんがん)(自らの修行や功徳(くどく)によって悟りに至るのではなく、阿弥陀(あみだ)如来(にょらい)様にあるがまま御すがりし、阿弥陀様の本願によって救済されること)を己の都合の良いように解釈した。

教如这样想,将親鸞圣人所说的“他力本愿”理解为自己根据自身修行和功德领悟教义的方式不正确,应该如阿弥陀佛一样托钵依止,依靠阿弥陀佛的本愿而得到拯救。

つまりは何れ訪れる阿弥陀如来によって救済されるのだから、俗世で好きなように振る舞っても構わないと開き直ったのだ。

换句话说,既然最终会被阿弥陀如来拯救,所以他放纵自己在尘世中任意行事。

「天よ! 御仏よ! 御照覧(しょうらん)あれ! 我が信仰に一片の曇り無きゆえに、悪鬼どもが我が身を傷つけること能(あた)わず!」

"天啊!佛祖啊!请照耀我们!因为我的信仰没有任何瑕疵,所以恶魔们无法伤害我!"

教如が大きく手を振りかざし、そう叫んだ瞬間一発の銃弾が演台の上を駆け抜けた。遅れてガーンという遠雷のような銃声が響き、絶叫が上がる。

教如挥舞着大手喊道,一发枪弹呼啸而过舞台。紧接着,一声巨响响起,像是迟到的远雷,尖叫声四起。

見れば教如が天に向けて開いていた左手首が千切れかかっていた。手首の根元に存在し、指を支える骨と腕の骨とを接続する手根骨(しゅこんこつ)が銃弾によって撃ち抜かれ、教如の左手は皮によって辛うじて繋がっているだけの物体に成り下がっていた。

他看到教如向天伸出的左手腕断成了两半,手腕处的腕骨连接手指和手臂的骨头被子弹击穿,教如的左手只能靠皮肤勉强连着。

教如は己に降りかかった災難を自覚できなかった。灼熱した火箸を押し付けられたかのような激痛が絶え間なく襲い掛かり、余りの痛みに吐き気さえ込み上げて目を開くことが叶わない。

教如无法意识到自己所经历的灾难。他仿佛遭受了灼热的火炭猛烈疼痛的折磨,不停地攻击着他,痛得无法睁眼、恶心难耐。

それでも信徒の前で醜態(しゅうたい)を晒すまいと歯を食いしばって目を見開いた。彼の目線の先には断面から血液を吹き出す手首の先が存在せず、彼が悶絶した衝撃と自重によって垂れさがる手の残骸が揺れていた。

然而,他咬紧牙关,睁大眼睛,不想在信徒面前丢脸。他的目光落在断裂处喷出鲜血的手腕上,那里没有手腕存在,他由于剧痛和重力而昏厥,手残骸摇晃着。

彼は余りの惨状と激痛に意識を手放し、その場に卒倒した。慌てて駆け付けた僧兵が教如の体を演台の陰に引きずり込み、拙い知識で血液が流れ出ないように断面付近を強く圧迫する。

他由于过于惨痛而失去了意识,当场昏倒。匆忙赶来的僧兵将教如的身体拖入舞台幕后,用他们有限的知识强力压迫伤口以防止失血。

演説中に銃撃されて凶弾に倒れた教如を見た僧兵たちは恐慌に陥った。なまじ彼の演説に聞き入っていただけに、その落差が彼らを容易に狂気へと走らせた。

在演讲期间,看到被枪击倒并倒在一旁的教如,士兵们感到恐慌。本来他们正聚精会神地听教如演讲,结果却突然陷入疯狂中。

即(すなわ)ち教如の語った『御仏の加護』など絵空事であり、教如のようにいつ己の体の一部が吹き飛ぶか判らない恐怖に全てを投げ捨てた僧兵たちは、出入口である山門に向けて濁流のように押し寄せた。

即(也就是)教如所说的“佛菩萨的加护”等纯属虚幻,而像教如那样时刻担心自己身体的哪一部分会飞散的僧兵们,不顾一切地冲向山门作为出入口的地方,像浊流般涌来。

皮肉にもそれらを押しとどめたのもまた外部よりの暴威であった。轟音と共に山門や外壁が砕け散り、飛礫(つぶて)となって辺り一面を穿(うが)ち抉り取った。

这些事情的防止也是外部暴力的结果,这个暴力伴随着轰鸣声,山门和城墙破碎,成为飞溅的碎片,在四周形成洞穴。

轟音と衝撃に皆の足が竦(すく)んで動きが止まったところへ、次から次へと間を空けずに砲弾が着弾して内と外とを隔てていた全てを薙ぎ払っていく。

轰鸣声和冲击让所有人的腿都吓僵了,停止了移动,然后一颗颗炮弹不断地落下,清除了一切内部和外部的障碍。

そうして僧兵たちが目にしたものは、ズラリと並んだ大砲が次々に火を噴き上げる光景だった。追い立てられるように僧兵たちは逆方向へと一心に駆けだして行く。

然后僧兵们看到的是大炮整齐排列,依次喷发火光的景象。僧兵们被推着,全力向相反方向奔跑。

そこには信仰や兵としての矜持(きょうじ)などと言う高尚なものは一切無く、目前に迫りくる死から逃れたいという生存本能の発露でしかなかった。

在那里,没有什么高尚的东西,如信仰或作为战士的威严,只是表现出想要避免死亡,生存本能的一种表现。

「お、俺の脚が!! 脚が!!」

"哦,我的脚!!脚!!" => "哦,我的腿!!腿!!"

「走れ! そいつはもう助からん!!」

"快跑!那个人已经没有救了!!"

絶え間なく撃ち込まれる砲弾と、隙間を縫うように飛来する銃弾に倒れる者が続出する。

不断被炮弹轰击,同时被飞来的子弹击倒的人不断增加。

背後から迫るのは死そのものであり、振り返る暇(いとま)が有れば少しでも前へ進もうと皆が必死に走った。立ち向かう等という選択肢は脳裏を掠めすらしない。

背后逼近的是死亡本身,如果有时间回头看一眼,大家都会拼命往前跑。没有人会考虑去面对它,甚至没有一个选择。

完全に統制を失い潰走状態に陥った僧兵たちは、倒れた者や堀に落ちた者を踏みつけて我先に逃げていく。何処まで逃げれば助かるかなど判らないため、死の狂騒状態は力尽きるまで止まることが無かった。

完全失去控制并陷入崩溃状态的僧兵们,踩着倒下的同伴或掉进堀里的人,争先恐后地逃跑。由于不知道逃到哪里才能获救,死亡的疯狂状态一直持续到筋疲力竭。

時は少し戻り、教如の絶叫が上がった直後。

时间稍微倒流了一下,在教如尖叫声之后。

「ふん! 大げさに動かすから指じゃなくて手首を落としちまった」

"Hmph! I dropped my wrist instead of my finger because I moved it too dramatically." translates to Simplified Chinese as "哼!我把手腕放得太夸张了,结果落下来的不是指头,而是手腕。"

「どうやら、側近が演台の陰に引き込んだようだな。これ以上の狙撃は無理だ、我らは下がるぞ菊、ちさ!」

“看来近臣已经把我们带到了演台的阴影中了。再往下狙击是不可能的了,我们下撤吧,菊、小千!”

菊と呼ばれた狙撃兵は、伏せ撃ちの体勢から身を起こすと声を掛けてきた一郎に無言で頷いた。最年少のちさも一つ頷くと一郎から双眼鏡を受け取り、比較的軽量の荷物を背負って立ち上がる。彼らは静子軍の中でも一、二を争う腕前を誇る狙撃チームだ。

被称为菊的狙击手从伏击姿势中站起来,对着叫他的一郎点了点头。最年轻的千纱也点了点头,接过望远镜,背着比较轻的行李站了起来。他们是静子军队中排名前几的狙击小组之一。

教如の狙撃という難題を見事成功させた彼らは、最前線から静子の許へと撤退することになる。菊としては指だけを吹き飛ばすつもりだったが、流石に狙点が小さすぎたことが口惜しいようだ。

他们成功地完成了教如的狙击任务后,从前线撤退到了静子那里。菊只是想击中敌人的手指,但目标太小了,让她感到很遗憾。

「なに、御仏の加護とやらで避けて通るはずの銃弾を命中させたのだ。それだけで値千金、欲をかくほどの事もあるまい」

“什么,因为佛祖的庇护而应该被避开的子弹却被命中了。这已经价值千金,足以引发欲望。”

「静子様は私を褒めてくださるかな?」

"静子会夸奖我吗?"

「ええ、きっと」

「好的,肯定的」

急に不安そうな表情を浮かべる姉の菊を見て、ちさはにっこりとほほ笑んで受け合った。

看到姐姐菊突然露出焦虑的表情,小莎微笑着应和了一下。

石山本願寺が火の手に包まれている頃、本願寺より遥か西の山間(やまあい)にて熱気球と回収部隊が合流して撤収作業に入っていた。

当石山本愿寺被火包围时,热气球和回收队在远离本愿寺的西部山区汇合,开始撤离行动。

全五機の内、四機までは問題なく回収できたのだが、残り一機が炎上による上昇気流に流されて川へと着水してしまい、回収が難航している。

全五架中,前四架成功回收,但最后一架因火灾引起上升气流被带到河里着水,回收工作非常困难。

その存在のすべてが機密の塊である熱気球の部品は、たとえそれが何か判らないほどに小さなものであっても可能な限り回収するよう言い含められていた。

它被暗示着要收集热气球零件,因为它们所包含的一切都是机密,即使它们可能只是非常微小的东西,我们也要尽可能地收集。

熱気球の乗員及び回収班の面々による決死の努力によって、何とか川岸へと熱気球を回収し、これを分解して小荷駄に偽装し京へと移送することになる。

经过热气球的机组和回收班的决死努力,设法将热气球回收到河岸并拆解成行李的伪装,然后将其运到京城。

彼らは自分たちの為した成果をここで知ることが出来ないが、しっかりと目標を果たしたという実感があった。

他们无法在这里了解他们的成果,但确实有实现目标的感觉。

誰もが想像だにし得ないであろう空からの攻撃という前代未聞の作戦の完遂に胸を熱くする。自分たちの存在が秘せられるべきものであり、決して歴史に名を残すことは無いだろうが、歴史の転換点にてその一翼を担えたことを誇りに思った。

每个人都会为此前所未有的攻击行动燃起热情,这是来自天空,超乎想象的袭击。我们的存在应该是秘密的,绝不会被载入史册,但我为能在历史的转折点上扮演一定角色而感到自豪。

名もなき彼らは朝もやの立ち込める中、誰にも見咎められることなくその姿を消した。

这些无名之人在晨雾弥漫之中毫无察觉地消失了,没有人注意到他们的身影。

砲声が鳴り止んだ後の石山本願寺の姿は惨憺(さんたん)たるものであった。天より巨大な筆で線を引いたように無残に焼け焦げ、また外壁から一直線に全ての物が破壊され視線を遮る物体がなくなっていた。

炮声响过之后,石山本愿寺的景象令人惨不忍睹。它像是被一支天大的笔划了一条线一样,在烈火中残疾,外墙上的一切物品全都被摧毁,看不到任何遮挡视线的物体。

その直線上の至る所に無残な屍となった僧兵が身を横たえており、その攻勢の凄まじさを物語っている。五体満足の骸(むくろ)は少数であり、体のあちらこちらが欠損したかつて人であったものの残骸は酸鼻を極める。

在那条直线上,无数僧兵的尸体躺在那里,凸显出攻势的惊人威力。全身完好无损的尸体并不多,身体四处缺失的人类残骸让人闻之色变。

そんなこの世の地獄を作り出した張本人である静子は、決然と前を見据えて声を放った。

造成这个世界地狱的罪魁祸首静子,坚定地盯着前方,大声说道。

「二刻のみ待つと伝えなさい。これが最後通告です」

"告诉他们只有两刻钟等待,这是最后通牒。"

「はっ」

「はっ」 can be translated to Simplified Chinese as「哈」.

伝令たちは生存者たちを探して西へ向かって駆けて行った。この状況下で組織だった反撃など出来るとは思えないが、それでも用心するに越したことはないと、三十名近い兵たちが隊伍を組んで降伏を呼び掛けていく。

传令兵们往西奔跑寻找幸存者。虽然在这种情况下很难组织有效的反击,但近30名士兵仍然小心翼翼地组成队伍呼吁投降。

程なくして伝令たちの進んで行った方角から、幾人かずつが小集団となって降伏を申し入れてくる。あれほどの攻撃を受けながらも、奇跡的に生を拾った者がそれなりにいたのは静子も驚いた。

不久之后,从传令人前进的方向上,几个人逐渐聚集成小团队,请求投降。尽管经历了如此激烈的攻击,但奇迹般幸存下来的人们还是相当多,静子也感到惊讶。

生存者たちのいずれもが憔悴(しょうすい)しきっており、己が助かったことに涙するものは居ても敵意を見せるものなど皆無であった。

生还者们都疲惫不堪,即使有人因为自己得救而流泪,但却毫无敌意。

「ご苦労様です」

"辛苦了"

伝令部隊の帰還を受けて、静子は直々に彼らを労った。

接到传令部队归来的消息后,静子亲自对他们表示了感谢。

「これより二刻、向こうの降伏を待ちます。二刻経っても返答がなければ、全てを焼き払いなさい」

“在此之后的两刻钟里,等待对面的投降。如果两刻钟过去仍无回应,则放火烧毁一切。”

「はっ」

"啊"

静子はそれだけを言い残すと、前線を去って本陣へと戻っていった。慈悲を掛けるような機会は既に逸して久しい。これらの措置は慈悲というより、戦後の後始末を楽にするための方策ですらあった。

静子说完这句话便离开了前线回到了本阵。已经失去了施慈悲的机会。这些措施不仅是出于慈悲,而且也是为了战后的方便而采取的措施。

果たして組織としての体を為していないと思われた本願寺の僧兵達だが、それでも教如に代わる代表者を立てて降伏を申し出てきた。

果然,本愿寺的僧兵们似乎还没有形成一个组织,但他们还是挑选了一名代表来代替教如并投降了。

「我ら本願寺に籠りし一同、御身(おんみ)のお慈悲に縋りとう存じます」

「我们在本愿寺中凑在一起,希望能够依赖您的慈悲。」

「降伏に際してこちらの条件は三つ。一つ、指導者である教如と朝廷よりの使者の身柄を引き渡すこと。一つ、一切の武装を放棄すること。一つ、降伏後は下間(しもつま)刑部卿(ぎょうぶきょう)の監視下に入り、彼の指示に絶対服従すること。以上を飲むのであれば、降伏を認めます」

「投降的条件有三个:第一,交出领导者教如和朝廷派来的使者。第二,放弃所有武装。第三,投降后进入下间刑部卿的监视下,绝对服从他的指示。如果您接受以上条件,我们将承认投降。」

「我らに否やはございませぬ。全てご指示に従いまする……」

“我们没有任何反对意见。将全听从您的指示……” 翻译为简体中文。

静子からの要求を受けた本願寺の代表は、間を置かずに了承する旨を伝えてきた。

接到静子的要求后,本愿寺的代表立即表示同意。

「判りました。では最優先で教如及びご使者殿の身柄を引き渡して貰います」

“知道了。那么,我将把教如和使者大人的人身交出作为最优先。”

「承知いたしました」

"谨慎接受" (Jǐn shèn jiēshòu)

「念を押しますが、下手なことを考えぬように願います。遺体を片付けるのも手間なので、歩けるものは歩いて貰った方が楽ですからね」

“再三强调,请不要考虑做不好的事情。处理遗体也很麻烦,所以走得动的人最好自己走。”

「はっ……」

「哇……」

元より妙な気など起こす余裕すら無いが、それでも自分たちの生死を手間だけで左右されるということが恐ろしかった。

从一开始就没有什么奇怪的感觉,但是仍然感到可怕的是,他们的生与死将仅由一点细节来决定。

代表はほどなく戸板に乗せられた意識の無い教如と、後ろ手に縄を打たれて拘束された朝廷の使者を連れて戻ってくる。

代表很快便带着失去意识的教如,以及被绑着手腕的朝廷使者回来了。

教如に関しては手拭いを噛ませた上で、傷口を焼いて乱暴な止血がされており、ショック死こそは免れているものの当分意識が戻りそうにない。

关于教如,被扒开手帕,伤口灼烧并野蛮止血,虽然避免了休克死亡,但意识很可能没法恢复一段时间。

また朝廷からの使者については、あれだけの攻撃を受けたはずにも拘わらず傷一つ負っていない状態だった。

关于来自朝廷的使者,尽管遭受了如此多的攻击,但仍然没有受伤。

「二人を本隊へ移送しなさい」

请将这两个人转移到主队。

「わ、私は囚われて――」

「哇,我被囚禁了——」

「黙りなさい。この期に及んで我々が貴方の所業を掴んでいないとでも思っているのですか? そうならば私も随分と侮られたものですね。申し開きの場は京にて設けます、謹んで裁きを受けるように」

“闭嘴。难道你认为我们到这个时候还没有抓住你的所作所为吗?如果是这样,那我也被轻视了。申辩的地方将会在京都设立,希望你谨慎接受裁决。”

使者の弁明を遮ると、静子は使者にも猿轡(さるぐつわ)を噛ませるように命じた。事がここに至っても己の保身に走らんとする醜い心根に辟易とした静子は、彼らをさっさと後方へと送致することに決めた。

在中断使者的辩解时,静子命令使者也戴上口球。对他们只考虑自身利益的丑陋内心感到厌烦的静子决定将他们迅速送回后方。

こうして、教如が一部の公家と結託して起こした石山本願寺の乱はたったの二日で鎮圧されたのであった。

如此,由教如与部分公家勾结发起的石山本愿寺之乱,在短短两天内被平定。

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